第64問 「嚆矢」の意味と使い方


「嚆矢」の意味と使い方

問題

「嚆矢」を正しく使っている文はどちらでしょう?

  1. あらゆる手を使って試みたものの果たせず、嚆矢尽きたという感がある。
  2. 彼のe-bookは、日本におけるいわゆる情報販売の嚆矢といわれる。

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解説

「嚆矢」は「こうし」と読み、「かぶら矢(鏑矢)」を意味します。「かぶら矢」とは、射ると大きな音を発して飛ぶように仕掛けをした矢のことです(「嚆」は「叫ぶ」という意を持つ漢字です)。

昔、中国では、合戦の初めにかぶら矢を敵陣に向けて射かけ、戦の始まりの合図としたそうです。そこから、「嚆矢」は、「物事のはじめ、最初」を意味する言葉としても使われるようになりました。

「彼は日本における情報販売の嚆矢といわれる」「野口英世をもって日本の熱病研究の嚆矢とする」などと用いられます。

「嚆矢=かぶら矢」は一応「矢」ではありますが、武器ではなく合図として使われるものですので、1「あらゆる手を使って試みたものの果たせず、嚆矢尽きたという感がある」のような使い方は適切ではありません。

1のような文脈で「矢」を用いるのであれば、「力が尽きて、これ以上どうすることもできない」という意味の「弓折れ矢尽きる」が適切ではないかと思われます。

ということで、「嚆矢」の使い方として適切な文は2「彼のe-bookは、日本におけるいわゆる情報販売の嚆矢といわれる。」でした。

「嚆矢」=「始まり」です。

類語として「起源」が挙げられることがありますが、「起源」が「人類の起源」などのように自然発生的な始まりを指すのに対し、「嚆矢」は人の手による突然の始まり、それも時代を変えるような、画期的な新しい何かが始まったことを指す模様。

英語の「エポックメーキング(epoch-making)」に近いのではないかという気がしています。

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正解

2

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